遺言は、あなたの想いをご家族に伝える手段です。遺されたご家族が困らないために、ご家族に「手紙」を残すくらいの気持ちで、遺言書を書かれることをおすすめします。
「何を書いたら良いのか分からない」「どのように書くか迷ってしまう」「遺言書を書くときの注意点は?」など、遺言書を作成したいが迷っている方や悩まれている方は、遺言書作成をサポートしますので、当事務所にご相談ください。
■遺言書はこんな方におすすめです
- 残された家族が、相続でもめないようにと思っている方
- 夫婦間に子どもがいない方
- 全財産を妻(夫)に相続させたいと考えている方
- 障害のある子に財産を多く残したいと望んでいる方
- 再婚し、先妻に子がいるので、相続の争いが起きないようにきちんとしておきたい方
- 財産を引き継ぐ親族がいない方
- 世話になった人に財産を残したいと考えている方
- 内縁の妻(夫)に財産を遺したい方
- 特定な人に家業を継がせたいと考えている方
- 疎遠な家族には財産を遺したくないと考えている方
- 相続争いを起こさないために、上記以外の方にも遺言書の作成をおすすめします。
■遺言書でできること
- 特定の人に特定の財産を相続させることができます。
- 相続人ごと相続分の割合を定めることができます。
- 遺産を相続させる代わりに、その相続人に一定の負担をさせることができます。
- 遺言で認知することができます。(遺言執行者が必要です)
- 未成年後見人、未成年後見監督人を指定できます。
- 推定相続人の廃除、または、排除の取り消しの意思表示ができます。(遺言執行者が必要です)
- 死亡保険金の受取人を変更できます。
- 遺言を執行する遺言執行者(※1)を指定できます。
- 上記以外にもできることがあります。
(※1)遺言執行者とは、遺言の内容を実現するために、必要な手続きを行う人です。破産者や未成年者でなければ、相続人や第三者も指定できます。
■主な遺言書は2種類です
遺言書は15歳から書くことができます。また、判断能力が低下している方は、遺言書を作成するときの遺言能力で判断されます。主な遺言書として「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」を紹介します。
自筆証書遺言
遺言者本人が自分で書く遺言書です。誰でも自由に作成できますが、法律に基づくルールがあります。方式に不備がありますと無効となってしまいますので、注意が必要です。
- ご自分が用意した紙とペンを使い自筆で作成できますので、費用がかからず、手軽に書くことができます。
- 遺言の内容は秘密にできますが、法律に基づく方式に沿って書かれていないと無効となってしまいます。
- 遺言の執行をするためには、家庭裁判所で検認(※2)が必要となります。
- パソコンなどで作成する財産目録や、不動産の登記事項証明書、預貯金通帳の写しの添付が認められるようになりました。
(※2)検認とは、家庭裁判所で相続人や利害関係者の立ち合いのもと、遺言の存在やその内容を知らせるとともに、遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名など遺言書の内容を明確にする手続きです。法務局による自筆証書遺言を保管する制度を利用した場合は、検認の必要はありません。
●自筆証書遺言のルール
- 全文を自筆で書く
- 作成日付の記載を自筆で書く
- 自筆で署名し押印する
- 遺言書の訂正は、民法が定める方式でなければ認められない
- 財産目録など添付する資料は、各々に自筆の署名と押印が必要となる
●自筆証書遺言書を法務局で保管する制度が創設されました
自筆証書遺言のルールに従い、法務省で定める様式で作成した遺言書を、自ら法務局(遺言書保管所)に持参し、保管申請をします。相続人は、法務局(遺言書保管所)で遺言書の確認ができます。
公正証書遺言
法務実務を長く経験した公証人が作成する遺言書ですので、公正証書として信頼性があります。
- 公証人が作成しますので、法的に有効な遺言を確実に残すことができます。
- 作成に費用がかかり、2名の証人が必要となりますが、偽造や改ざんの恐れはありません。
- 公証役場で保管するので、遺言書の有無が調査できます。
- 検認の必要はありません。
●遺言書は早めに書くことをおすすめします
遺言書を書くことができるのは、元気な今です。病気で気持ちがなえたり、認知症で判断能力がなくなると、遺言書を書くことが難しくなります。